【Virtual】妄想登山~富士山~【Mountaineering】

Virtual mountaineering: Mt. Fuji 山に行けないので、自粛明けにはこんな登山をしたいぞ、というのを書いてみる。名付けて仮想登山。書きかけていたら、竹内洋岳さんが妄想エベレストをやっていることを知った。「仮想」より「妄想」のほうがイメージに近いので、妄想登山にしよう。妄想登山って、山行計画をつくるときには必ずやることではある。こんなルートで行ったら景色がきれいそうだ、あのルートはリスクがあるから他にしよう。ただしあまり文章化することはない。行った後の山行記録で少し振り返るくらいだ。いまは自粛中なので、こうやって山行計画を貯めておいて、あとで実行に移そう。面白そうだなって思ったら、ぜひ自粛明けに声かけてください。 記念すべき妄想登山1座目は「富士山」。しかも残雪期の富士山に山スキーをしに行くというプラン。自粛解除が秋になっても、すぐに行けるわけではないプランだ。この投稿を書いている4月、まさにこのシーズンに行きたいプランを書いているだけだ。 登山口はどこにしようか。南側、それとも北側?久しく行っていないので、登山口の名前すら忘れている。たしか南側は富士宮口だ。それと須走口(東側)というのもあった。2合目相当から登るルートが長いのが御殿場口(南東)だ。あともう一つはなんだったっけか、調べてみたら吉田口(北側)だった。 どのルートも夏山は登ったことがあるのだが、残雪期に登ったことがあるのは富士宮口だけだ。1回はつぼ足で、もう一回はスキーを担いで登った。今回は山スキーがあるので、カチカチでないかぎり担がないだろう。 カチカチでなければ、担がずシールで登りたいが、カチカチなのが富士山。東南北、登山口はどれにしようか。東は須走口、南は富士宮口、北は吉田口だ。残雪期は、南の富士宮口しか経験していない。こういうときは山行記録を参考にしよう。信頼と実績のSanchan33さんとpakuminさんの記録を参考にした。 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1461735.html◆7合目下(2700m~白山岳コル)・この日はシールハイク可能なギリギリの雪質だったためシールで登り切ったが適宜アイゼン歩行を選択すべき。・吉田大沢は登り始めたら荷物を降ろしたり休憩する場所はないので一気に稜線まで登り詰める必要がある。(夏道を登った場合はこの限りではない) 5月中旬の吉田口(北)からのルート。やっぱりカチカチそうだ。せっかくなら積雪期に登ったことのない北側 吉田口にひかれていたのだが。 この山行の目的はなんだ?今回はお釜(富士山噴火口)に滑り降りてみたい。夏山ではルートもなく、崩れやすいので行けないが、残雪期ならいける、ならぜひ行ってみたい。どんな風景だろうか、楽しみだ。標高差200mらしい。しかしその分時間もかかるだろうから、早く出る必要がある。早く出るということは日の出前で、夜間に固まった斜面はカチカチではないだろうか?こうやって想像するのが楽しい。まぁ5合目から出発して、雪が出てくるのは6合目くらいでそのころには時間も経っているだろうし、さすがに核心の8合目~頂上の時間には太陽が出ているように時間調整していこう。さすがに雪がないところをスキー兼用靴で長く歩くのは意味がないので、2合目相当から登る御殿場口はなしだ。北側の吉田口は雪のゆるみが遅いだろうし、無難に南側の富士宮口でいこう。 と、このあたりまで妄想して、登山届を書いて、必要な装備をザックに詰めて実行に移してしまうのだが、今回はもう少し妄想を続けてみよう。 深夜割引を使って高速道路を走り、御殿場から富士宮口5合目まで登っていく。やはり富士山は遠い。夜明けまで高度順応も兼ねて仮眠をしよう。 今回はお釜も滑りたいので早めに出る。薄明るくなってくる4:30に出る。まずは夏道だ。雪はついていない。今回は登山靴で登ろう。スキー兼用靴は雪が出てきてからだ。 6合目をすぎて雪が出てきた。このまま登山靴で登ろうか、それともシールハイクにしようか。スキーで滑ってくることを考えると、露出している石でスキーのソールを傷つけるので、もう少し登山口で行こう。 7合目手前でシールハイクに切り替えた。目立つところに登山靴をデポした。あたりはもう明るくなってきて、頂上まで斜面が続いているのが見える。雪面の状態はなんとかシールで登れるレベル。念のためスキーアイゼンをつける。 だんだんと薄くなっていく空気。早く出てきたので焦らずゆっくり登ろう。小屋の高さに達するたびに一息入れながら登っていく。まだまだ先は長いが、確実に登るしかない。だんだんと風も強くなってきた。 気づけば9合目。ようやく稜線に近づいてきた。最後の力をふりしぼり、奥社に到着。つぎは頂上を目指そうか、それともお釜に滑ろうか。もうここまで来たし、時間も十分にあり、お釜は確実に落とせるので、天気が悪くならないうちに頂上に行っておこう。剣ヶ峯へのルートは急斜面なので、スキーは担いでアイゼンに換装する。 富士山最高地点、剣ヶ峯に到着。眼前には噴火口が大きく口を開けている。今日はここに滑り降りてみよう。まだ誰も滑り降りている人はいない。どのルートにしようか。一番斜度が緩そうな、剣ヶ峯から降りたところからにしよう。 剣ヶ峯の斜面はアイゼンのまま降りて、斜度が落ち着いたところでスキーを履く。滑り出しは緊張の瞬間だ。ガリガリ鳴らしながらもエッジをかませて様子を見る。徐々にスピードを上げる。稜線から少し高度を落とすと雪は緩んでくる。あっという間にお釜の底に滑り降りた。 お釜の底は不思議なところだった。四方八方どちらを向いても稜線に囲まれている。おかげで風もない。さぁ、稜線への登り返しだ。シールで行こうか、アイゼンで行こうか。滑り出しはガリガリだったから、そこはシールでは登れないだろう。無難に最初からアイゼンを履いて、稜線へと向かう。標高差200mとは言っても、富士山頂上での標高差200mは空気が薄くきつい。 奥社に戻って一息ついたら、富士山の大斜面を滑ろう。眼前には雲海が広がっている。広い斜面を選んで富士山にターンを刻んでいく。最初はガリガリだったが、斜度を落とすとザラメになってきた。とにかく長いので脚が疲れる。休み休み、滑ってきた斜面を振り返りながら、富士山の大斜面を楽しむ。 7合目に登山靴をデポしているのを忘れてはいけない。宝永山にも行きたかったが、登り返しがあるし、登山靴とは逆方向なのでパス。きっちり7合目までスキーで滑り降りたら、潔く登山靴に履き替えて下山する。 ということで山行記録っぽく書いてみた。文体は過去形ではなく未来形にした。妄想なので、実際に登ったらこうしようという思いで。ただ書いてみて、正直あまり楽しくなかった。書く義務感ばかりで、わくわくしてこなかった。やっぱり、実際に行ってみて、不確定要素含め楽しむのが登山なのだと思った。すべて想定どおりでは面白くない。 次に妄想登山を書くとしたら、まだ行ったことのない山で書いてみよう。