【Hannover Luftfahrt Museum】ハノーファー航空博物館 視察【Germany2019】

Highly recommended aviation museum in Hannover

 

早く着きすぎてしまったので(ぉ、時差ボケ調整がてら日中は思いっきり活動しよう。

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ハノーファー空港から市内まで電車で17分。これが30分間隔で出ている。チケットは3ユーロそこそこ、積極的な改札はないタイプだった。ドイツ後の読めない僕にも優しい英語対応の券売機。

 

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ハノーファー中央駅(Hannover Hauptbahnhof)到着。2012年の12月のときはほとんど街歩きできなかったので、今回こそは。当時は英語表記のHanover(nがひとつ)で表記しているが、今回はHannover(nnとふたつのドイツ語表記)でいこう。

まずは宿に荷物をドロップして身軽になる。ラッキーなことに部屋の準備もできていたので、荷物も置けて、シャワーも浴びられた。もう最高でベッドで寝たくなるが、時差調整(観光)をがんばるしかない。

 

 

ハノーファー航空博物館 (Luftfahrt Museum Laatzen Hannover)

ハノーファーをリサーチした結果、航空博物館と出た。一般的な行くべきリスト上位には入ってこない目的地だが、ぼくにとって航空博物館は優先度が高い。日本語で紹介しているページも少なかったので書いていく。

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駅は、Hannover-Laatzen(ハノーファー・ラッツェン)という万博駅。毎年4月には電機の見本市が開催されるらしい。立派な駅だ。

 

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駅を出たら、線路の東側を北に進む。Luftharft museum(航空博物館)の看板が小さくあった。

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歩いて10分くらい。

 

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Hannover Luftharft Museum、英語で言うとAviation Museum(航空博物館)。入館料は大人9ユーロだった。珍しくカード払いはできず、キャッシュ限定なので特記しておく。

 

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ホール1は、航空機の黎明期を紹介する展示だ。航空博物館にはよくある導入だが、グライダー飛行を確立したオットー・リリエンタールがドイツ人であることを追い出すと、意味が増してくる。下の模型はベルリン近郊につくったという人工の丘だろう。

 

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航空機発展の歴史は戦争とは切り離せない。第一次大戦時と思われるプロペラシンクロ機構をもつマシンガンを搭載した単葉機。主翼にはもう黒十字(バルケンクロイツ)が見られる。

 

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Junkers F13a。この波打つ外板は、ユンカースの最大の特徴だ。軽い薄板でも剛性をあげる工夫だが、のちに壁面摩擦が大きくなる影響がわかってきて使われなくなっていった。

 

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ツェッペリン飛行船のスケールモデル。搭乗部の窓の大きさから、全体のスケールを想像すると驚くほど大きい。

 

つぎは、ホール2

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飛空艇時代のスケールモデル。紅の豚のサボイアS.21のレイアウトに似ているが、単座ではなく尾翼も二枚ある。このような世界の飛空艇の資料から、宮崎駿は、最高にかっこいい飛空艇をうみだしたのだろう。

 

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ドイツの駄作機たち。イギリス空軍もまたしかり、こういうユニークなアイディアを残しておくのは大事だ。

 

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ヨーロッパ戦線と言えば、Vエンジンだ(日本に星形が多いのはVエンジンの長いクランクシャフトをつくれなかったから?)。ドイツは倒立タイプのV12気筒エンジンだ。手前がDaimler-Benz DB 605、奥がJunkers Jumo 213A、両方とも見事に倒立している(クランクシャフトが上方にあり、コンロッドやピストンが下方にストロークしている)。

 

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対するイギリスは正立のV12気筒エンジン。Rolls-Royce Merlin (I)エンジンだ(図は Mk.III?)。

 

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Me 262にも搭載されたジェットエンジンJumo 004

 

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ホール2にはエンジンだけでなく、機体も展示してある。イギリス空軍Supermarine Spitfire Mk. XIV (14)、この後期モデルはRolls-Royce Griffonエンジンに設計変更されているが、スピットファイアとの搭載エンジンといえば、さきほど展示されていたRolls-Royce Merlinエンジンだ。

 

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ドイツ空軍Messerschmitt BF109 G-2。搭載エンジンは、これまた先ほどのDaimler-Benz DB 605。

 

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そして、Focke-Wulf Fw 190。ムスメが運動会でもらってきた飛行機(Fw 170は誤記)とここでご対面できた。

 

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嬉しくて自撮りしてみたり(ぉ

お気づきだろうか、Fw 190には星形エンジンが搭載されていることが。SpitfireとBF109と比べてノーズが太い。

 

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Fw 190に搭載されていたのがBMW 801Aという星形エンジン。7気筒×2列の計14気筒、41.8Lの排気量だ。

ただ高高度性能がよくないということで、のちにJunkers Jumo 213に変更されている。ここですべての登場人物が出そろった。

基本動作は横にらみだ。今回の出張も対象は違えど似たような目的なので、いい予行演習になる。

 

Model name Spitfire Mk.x Messerschmitt BF109 G-2 Focke-Wulf Fw 190
Engine name Rolls-Royce Merlin Daimler-Benz DB 605 BMW 801A Junkers Jumo 213A
Engine type Vee 12, 26.9L Vee 12(inverted), 35.7L Star 14(7*2), 41.8L Vee 12(inverted)
Output [hp] 1475 1700 1750

ただ細かい型式のスペックまで把握しきれなかったのでとりあえず中途半端な状態でリリースする。言い訳だが、HTMLで表を作るのがめんどうだったのもある。あとで気が向いたらアップデートする、ウィキペディア頼みになるんだろう。本当はここに零式艦上戦闘機A5Mxも加えたかった。

 

 

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排気タービン過給機が開発中だったこの時代、主流はクランク軸で駆動する遠心コンプレッサだ。どのエンジンもよくみるとアンモナイトのような遠心コンプレッサがどこかについている。過給機の段数や変速も横にらみ表に加えたい。いや、絶対にすでに存在するはずだ。

 

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左奥からSpitfire Mk. XIV(スピットファイア、5枚プロペラ)、Messerschmitt BF109 G-2(メッサーシュミット、3枚プロペラ)、Focke-Wulf Fw 190(フォッケウルフ、3枚プロペラ)が手前。

手前に張ってあるロープの支柱が肉抜きされたデザインで興味深い。

 

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あとはソ連のMiG 15。機首からエアインテークするジェット戦闘機初期のデザイン。吸気はコックピットを中州のようにまわりこみ、単発のエンジンで再合流する。ストラットにガンカメラ?が埋め込まれている。

 

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Lockheed F-104。航空自衛隊も使っていたが、ドイツ連邦空軍(西側)も使っていたとは。

ドイツと言えば東西冷戦の最前線だったわけで、航空機の対比も興味深そうだ。ここハノーファーには積極的な展示はなかったので、またの機会にベルリンの航空博物館にでも遠征したい。

 

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規模は決して大きくないが2時間30分ほどかけてじっくりみられた。日本の航空機展示は模型がある程度だったが、帰り際に館長の机の上に零式艦上戦闘機A5Mxの模型が見えた。ほかの欧州機を差し置いて唯一飾ってあったのが零戦である。これには、にやっとして帰ってきた。

大満足のハノーファー航空博物館だった。

 

 

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