Japan Haute Route (Reverse) in summer season, day3 from Sugonokkoshi to Tateyama-Murodo
夏季日本オートルート逆縦走3日目、最終日。
1日目に新穂高から雲ノ平まで入り、2日目は雲ノ平からスゴ乗越小屋まで駒を進めた。計画通りだ、あとは3日目は立山室堂まで抜けるのみだが、コースタイムとしては11時間ほどある。この好天で立山室堂は混雑していそうだし、下山後のことを考えて3時に出発とした。
スゴ乗越小屋から真っ暗な急坂をくだると鞍部のスゴ乗越、不安定なトラバースもあり視界が限られるため一層慎重に進んだ。スゴノ頭への登りは比較的安定しているが、頂上付近は大岩が露出しておりその合間を縫って登っていく。スゴノ頭のピークは登山道からやや外れているのでさらに岩の上を渡りながら最高地点へ。スゴ乗越小屋前から真正面にどーんと見えたピークに着いた。
ちょうど日の出に間に合った。間に合ったかどうかは厳密にはわからないが、後立山連峰にかかるきれいな雲を演出していた。
スゴノ頭2431m@4:45 3日目となり表情に疲れが見える
さあ、後方に見える越中沢岳を越えて室堂を目指そう。スゴノ頭から越中沢岳も強烈な下りと強烈な登り返しで精神的にもつらくなる。
この区間も登山道脇に高山植物が点在し癒された。
振り返ると巨大な薬師岳山塊。途中ルートファインディングをミスってもろいザレ場につっこんでしまったが、反対側から来る登山者のアドバイスに救われた。五色ヶ原を早立ちしてきた登山者とすれ違いはじめる、この人たちは今日 巨大な薬師岳に挑むのだ。
越中沢岳2591m@6:24 スゴ乗越小屋を3時過ぎに出て、予定通りのペースだ。
越中沢岳北側の滑らかな地形。ここをスキーで滑ったら気持ちよさそうだ、しかし一般的な立山→槍ヶ岳の方向では登りとなる。外国から日本の山を登りに来ているような登山者ともすれ違った。エスケープの少ないこのコースを選ぶことに驚いた。
五色ヶ原の手前の鳶山2616m
鳶山から歩き始めると、すぐに五色ヶ原の平らな地形が見え始めた。ここも木道がきれいに整備されて、登山道脇には高山植物が咲き乱れている。五色ヶ原まで来るともう立山室堂もワンピッチで行ける距離になってくるので、一気に安心感が出てきた。
五色ヶ原山荘は連休最終日の朝とあって、おおくの登山者は出払っていて閑散としていた。そのため普段はやっていないという軽食のカレーを特別にいただいて、立山室堂までのラストスパートの原動力とした。
五色ヶ原を発つと巨大な立山カルデラのふちを進んでいく。佐々成政の立山連峰越えの伝説で有名なザラ峠は、立山カルデラの中をとおってくるため崩落が激しくもう廃道となっている。
ザラ峠からの登り返しが強烈だった獅子岳2714m
次は鬼岳。立山に向けて仰々しい名前の山が続いていく。
地図では鬼岳の頂上は通過しない。登山道は7月でも残された雪渓よ横切って肩に向かっていた。なかなか斜度があるように見えるので稜線をつたったほうが安全かとおもいきや、岩の露出した頂上は到底通過できそうにない。ちょうど対峙した時も頂上には雲がかかっており、まさに鬼岳にふさわしい表情をみせてくれた。
が、行ってみるとそれほどでもなかった。幅広く道がきってありすれ違うこともできそうな道幅がある。あたりにも高山植物が咲き乱れ、雲が晴れるとその表情は一変した。
鬼岳ではライチョウのつがいにも遭遇した。登山道のど真ん中で堂々と砂浴びをしていた。いつまで経っても逃げないから、こっちがそおっと通り過ぎた。
鬼岳の2度目の雪渓トラバース。滑ってもどこかで止まる斜度ではあるが、五色ヶ原への障壁の一つとなるだろう。このあたりでTAJR(Trans Japan Alpse Rase)の話をしていたが、8月に開催なのは南北アルプスの雪渓が消えるのを待っているのもあるのかもしれない。今回新穂高から立山まで3日間かかって縦走してきたコースは、TAJRにとってはほんの一部で、太平洋まで抜けるというのだからもう感心するしかない。
龍王岳の肩に着くと、もう立山エリアだ。浄土山からは雄山の頂上がよく見えた。浄土山からの下りは疲れた足に堪えた。
室堂につくと多くの登山者でにぎわっていた。
その時は疲れていて3日間の日本オートルート逆縦走(新穂高~立山)を振り返る余裕もなかったが、こうやって3日間を振り返りながらゆっくり文章にしていく時間がとても好きだ。次はいつ行けるかわからないが、人生の1ページとして記憶に残る縦走となった。
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