【Houte route】オートルート2017GWは鬼岳で引返し

Japan Houte Route challenge 2017

 

今年のゴールデンウィークは日本オートルート縦走を計画してきました。

もともとは立山から薬師岳を縦走したいと思っていました。富山側から見える立山連峰を縦走できたら素晴らしいじゃないですか。2016年の夏は別のプランになり、真冬は入山さえ厳しい状況なので鍬崎山から偵察、そしてついにゴールデンウィークに決行しようと考えていました。

薬師岳を縦走したら太郎兵衛平から折立に下山するルートが一般的なのですが、ゴールデンウィークの時期はまだ折立への有峰林道が積雪で開通していないので、ひたすら半日以上かけて舗装道路を下山するプランになり美しくないなぁと悩んでいました。それならいっそのこと新穂高温泉にクルマをまわしておいて、立山から新穂高まで縦走してしまえばいいではないか!これが日本オートルートと呼ばれる今回のルートです。(※厳密には、立山から槍ヶ岳を経て上高地に下山するのが完璧な日本オートルートらしいです。)

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立山室堂から五色ヶ原~越中沢岳~薬師岳~黒部五郎岳~三俣蓮華岳~双六岳を経て、新穂高温泉に下山するルートを計画しました。美しいルートです。

日本オートルート≒山スキーと言ってもいいほど、山スキーヤーの憧れのルートなのですが、僕は山スキーはやらないので徒歩で計画。夏道コースタイムで1日12時間くらい歩いてなんとか3日で抜けられますが、疲労や悪天候に対応するため予備日を2日つけました。

 

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心配していた天気も、ちょうど高気圧に覆われる予報で一安心。いざ日本オートルートに出発!

 

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快晴の下、立山室堂を出発。

 

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まずは一ノ越目指して登っていきます。すでに斜面を登っている山スキーヤーがたくさんいました。

 

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一ノ越到着。黒部ダムの対岸には後立山連峰だけでなく、八ヶ岳や南アルプス、そして富士山まで見えました。

 

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雄山も絶好のコンディションなのですが、南に進路をとります。途中気づいたら雷鳥がすぐそこにいました。びっくり

 

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竜王岳への分岐、富山大学の立山研究所のあるところからの眺め。はるか奥に白山、手前の白い山塊が偵察に登った鍬崎山です。

 

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竜王岳分岐から先が本当のオートルート。薬師岳を越えた太郎兵衛平までエスケープルートはありません。戻ってくるか、抜けていくか。

竜王岳の斜面のトラバースは、斜面がずっと立山カルデラまで落ちているので緊張します。

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斜面トラバースのあとも、竜王岳のガレ場を降りてくるようなコースでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここまで順調っぽく書いてきて恐縮ですが、鬼岳のところで引き返す決断をしました。

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せっかくなので体調不良を我慢して様子を見ながら来てくれましたが、先はエスケープなしなので判断は早いほうがよい。

 

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また来るぞ、日本オートルート。

 

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アルペンルートを下山して、新穂高温泉にとめておいたもう一台のクルマに戻って、2017年GWのビッグプランは終了となりました。

 


こういうこともあるので、次につなげることを考えてみました。

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まずペース管理について。立山駅発のケーブルカーは一番列車がとれず始発から30分後の便。室堂でも準備したりなんだりで出発は計画の56分遅れとなっていました。その後の徒歩のペースも休憩を含めるとコースタイムの1.5~2倍くらいかかっていたので、どこかで判断しないといけない状況だったことがわかります。現場ではここまで時間をしっかり把握できていませんでした。

リスク管理については、オプションの検討が不足していました。今回は荷物が多くなるので「食」と「住」を分担していたので、どちらかが欠けたら縦走を続けることはできません。今回は体調不良の申告を受けて、定石どおりパーティー下山の判断をリーダーの僕がしたのですが、「食」の半分を受け取って単独で継続することもできたかなぁと考えてしまう自分がいます。ちゃんと議論しておけば後悔もなくなるので、状況の共有と議論を積極的にしていこうと思います。

さいごに次のチャレンジについて。今回は鬼岳まででしたが、実際にルートを目で見てみてゲレンデスキーから想像するような生易しいコースではないことがわかりました。きわどいトラバースもあるし、岩稜もあるし、先にはナイフリッジもあります。でももう一度チャレンジして、ぜひ歩き切りたいと思わせる美しいルートです。オートルートなのでやっぱり雪がある時期に走破したいですが、その前にまず夏かな。夏でも十分に達成感のあるルートです。ネックは積雪期と違って進んだところまででテントを張ることができないことですが、その点は深夜出発で距離を稼いでいきたいと思います。

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参考に今回のタイムスケジュールを載せますので、ぜひ一緒に行きましょう。