【Kuwasaki】1月激ラッセルはポンツーンでも鍬崎山敗退

My first ascent in 2019 introducing Pon2oon couldn’t reach Mt. Kuwasaki.

 

「1月」の鍬崎山のリベンジに行ってきた。

2017年1月2日に初めての鍬崎山チャレンジはワカンで敗退。その翌日YSHR先生らは山スキーで悠々と登頂している。

2017年3月19日に2回目の鍬崎山チャレンジはワカンで登頂成功

今シーズンから本格的な山スキーを手に入れたので、1回目のチャレンジとまったく同じ日に山スキーで再チャレンジしてみようじゃないか!

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あわすのスキー場の駐車場からPon2oon+Contour Mixで歩き始める。これまではワカンだったのが、スーパーファット山スキーにかえて、どれだけ効果が出るか楽しみだ。

 

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時間は4:30。前回2回目の1:20と比べると3時間近く遅いスタート。

圧雪車の作業がはじまったので、止められないように未圧雪コースの端を歩いてスキー場を登る。

 

スキー場トップまで50分。ここから大品山への登山道に沿って登っていく。

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導水管を渡って、森の中を進んでいく。斜度もゆるやかで登りやすく、とても気持ちのいい区間だった。トレースは前日以前のものがあった。

 

貯水池に出ると、登山道は尾根に乗り上げていく。積雪でルートがよくわからなかった。GPSも精度はない。

取りつくも、藪がすごくて、急斜面で、キックターンが決まらない。えいや、とスキー板を脱いでずぶずぶと潜りながらも胸ラッセルで登って行った。ものの数メートルだったが、体力的にも精神的にも疲れた。

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細い尾根に出た。逃げ場がないので、小さなキックターンを繰り返しながら登っていく。

 

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ここでシールのトラブル。シールのずれていたところから雪が入り込み、シールが浮いた状態になっていた。これでは力が雪面に伝わらない。もう片方のシールは大丈夫なので、シールをずれて貼ってしまったことが原因だ。ひとつひとつの動作をしっかりしなくてはならない。

一度剥いで、拭いても、粘着性を発揮しない。「低温で粘着力が増す」のではなかったのか>コンツアー。拭いたつもりでも、一度 雪がついて濡れてしまうとだめなのか。

どうしよう。

 

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もう粘着性には頼れない。ヒールフックのテンションを強めて、そしてテーピングで3か所巻いて応急処置とした。

結果的にはこれで再度 登れるようになった。テーピングを入れておいてよかった。

 

胸ラッセルとシール復旧で時間がかかり、すっかりあたりは明るくなってきていた。

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まだ最初の大品山にもたどり着いていない。

結局、大品山1404mに着いたのは9:00すぎだった。出発から稜線に出るまでに4時間30分もかかってしまった。もっと出発を早くすればよかった。

ここから鍬崎山まで夏道コースタイムで3時間。もう時間がない。

 

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鍬崎山への鞍部に降りて、大休止。おせち料理のローストビーフサンドをつくってもらった。いろいろ言いながらも1日時間をくれて行動食まで作ってくれるツマに感謝。

 

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雲がとれると、弥陀ヶ原、奥には大日岳が見えた。弥陀ヶ原は近く見えるが、その間には常願寺川の深い谷がある。

 

鍬崎山への登りはスーパーファットスキーでも膝ラッセルだ。トレースは消えている。うっすらとその残り香を感じるが、滑走の跡かもしれない。滑走の跡だと急すぎて使えない、とにかくぼくのシールだけではずり下がる斜度を超えてしまい、ひたすら自分でジグを切って進んだ。

おかげでキックターンは上手くなってきた。山向きのキックターンは、山足さえ180度反転させられれば、谷足は抜きながらスキートップを山足に揃えていく。斜面が急すぎて山向きの180度反転ができないときは、谷向きのキックターン。こちらはゲレンデスキーでもよく使うし、斜面の障害物がないので簡単だ。

他の方のトレースに比べて、ずり下がる限界斜度が低いのは、クトー未使用が考えられる。導入したほうがいいのか、悩ましい。

 

そんなことを考えながら、登っていたがもう時間が限界だ。大品山の高度までは復帰するも、見上げると1756m独標が眼前に立ちはだかり、11:20ここで敗退とした。

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シールを修復したテーピングも限界だった。藪に乗り上げるときに、エッジでテーピングが切れ始め、パウダースノーがスキーとシールの隙間に入り込み始めていた。もう時間の問題だったのだ。

 

シールを剥いで滑走下山開始。パウダーひゃっほーいなんて程遠い試練の尾根滑走だった。ワカン以上に斜度にセンシティブで、微妙な登り勾配でもシールを剥いだスキーでは登るのに難儀する。スキーを脱いだら最後、股上まで潜り、ものの数メートルの高度さを必死でもがいて、なんとか下山してきた。

 

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帰ってきてから記録を探すと、ヤマレコに12月27日のpakuminさん(ソロ)、12月30日にo36さん(3人)の記録があった。2パーティーとも登頂を果たしている、すごい。

https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1686468.html

https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1689185.html

 

下山の大変さの極めつけは、大品山への登り返し。さすがに高度さがあるので、シールを貼りなおした。少しザックの中で休ませていたコンツアーは、粘着力を復帰していた。完全ではないが、大品山までの80mあまりはもってくれた。

粘着力だけでなく、エネルギーも限界で、ずいぶんペースがおちた。

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大品山の展望台まで行って、記念撮影。2019年最初のピークは大品山1404mどまりとなった。

 

 

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さて気を取り直して、大品山から開けたツリーランを楽しもう。シールを剥いで、ヒールをロックして、滑走準備完了。

 

いざエントリー!

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こけた!

 

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パウダーが食われている。。。

ぼくの後から登ってきた方が、ぼくが鍬崎山方面へ行っている間に、滑って行ったのだろう。トレース使って、パウダー食べて、おいしいところをもってかれちゃったな。でも滑走ラインどりからしてぼくよりずっと経験がありそうで、下山に迷わずに助かった。

 

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貯水池までの細尾根は、がまんの横滑り。落ちたら、左は貯水池、右は常願寺川の谷なので、慎重にずり降りた。

 

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貯水池から下は、トレースをボブスレー。これは快適だった。

 

大品山から、スキー場トップまで45分。

大楚山から、スキー場ボトムまで60分。登りでは4時間30分以上かかったのに、あっという間だった。

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14:50下山。4:30スキー場スタートで10時間20分もがいてみたが、1月の鍬崎山にはまったくとどかなかった。鍬崎山2090mに対して、独標の1756mにも届かず、1470mどまり。

 

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今日は風もなく気象条件としては良かったにもかかわらず、ラッセルに苦しめられた。もっと体力とテクニックを身につけなければ、鍬崎山には届かない。今後のいい目標・課題ができてよかった。