Tour de Tateyama: Raicho valley ~ Tsurugi valley ~ Hashigo valley ~ Kuranosuke valley ~ Kurobe river ~ Kurobe plain (~ Oyama valley) ~ Murodo
立山2日目の室堂散策のあと1泊1日もらえることになったので、どこに行こうか悩んでいた。富山側に下山する必要があるから、大日岳経由の称名滝か、剱岳早月尾根経由の番場島か。前者はやったことがあったし、後者は番場島からのタクシー代が高価かったのでやめた。
いやそれより魅力的なルートが見つかったと言ったほうが正しい。9年前の忘れ物を内蔵助谷にとりにいこう。ずっと昔、内蔵助谷で敗退したことをまだ覚えていた。調べてみると2010年6月だった。黒四ダムから反時計回りで内蔵助谷を抜けていこうと思っていたが、残雪に阻まれ完敗だった。
今回は室堂にいるので、雷鳥沢~剱沢と時計回りで内蔵助平から内蔵助谷をリベンジしてみよう。なお剱岳には登らない。今回の山行は珍しくピークなしになりそうだ。
ということで今回の結果GPS。なんだかあやしい直線があるのはあとで言い訳するとして、写真を振り返りながら行ってみよう。
雷鳥沢キャンプ場と立山別山。夕方まで立山散策だったら、雷鳥沢にテントを張ろうと思っていたが、昼過ぎから出発できたので今日のうちにできるだけ進んでおこう。
雷鳥沢キャンプ場から雷鳥坂を汗だくで登る。なかなか剱御前小屋は見えてこず、9月なのに直射日光が暑い。ゴールデンウィーク以来の本格登山で登り方を忘れているのか。見えたときにはもうすぐだった。
雷鳥坂をがんばって登ってよかった。眼前に剱岳がどーん。剱御前からクールダウンしながら剱沢を下っていくと剱沢のキャンプ場についた。
受付をして、山岳警備隊に剱沢の状況を聴く。この写真を撮っておいてよかった。
テントはこのロケーション。周りのテントは夜遅くまで盛り上がっていたが、明日も早いので夕食を食べて早々に横になった。今回はグラウンドシートもエアマットも持ってこなかったので、ザックの上に寝た。
2時過ぎに出発。コースタイムを計算してみると、3時出発の0.8掛けで約束の時間ぎりぎりだったので、早いに越したことはないだろう。
剣沢小屋通過。夜空には満月が輝いており、剱岳のシルエットがうっすら見えるくらい明るいが、TG-610ではなにも写らない。
剱沢の右岸(スキーヤーズライト)に夏道がある。そうこの山行はいつか剱沢も滑ってみたいと思って、偵察の意味も込めている。
平蔵谷のところで雪渓上の小岩にピンクテープのマーキングがあったので進んで行ったら、行き詰った。山岳警備隊のところの概念図の写真をよくよく見返すと、この先クラックと書いてあるじゃないか。深夜の雪渓はツルツルカチカチでスリップしそうで冷や汗をかいた。そうでなくとも雪渓上は風がひんやりしていた。
平蔵谷をすぎてもまだ右岸(くだり方向で右側)をキープする。ここで山岳警備隊の方が言っていたスラブ(一枚岩)帯だ。下は暗くてよく見えないが、間違いなく高度感がある。ザイルでバランスをとりながら進む。
この先のスラブの降下はもっと怖かった。
なんとか抜けた後、振り返って撮った写真。沢水で濡れた一枚岩をザイルとアンカーを頼りに降下した。あるだけでありがたいのだが、杭の間隔はとても広く、真っ暗な中の降下は心臓に悪かった。
長次郎谷で雪渓を横断して、左岸(くだり方向で左側)へ。導水ホースが見えてきたら小屋が近い気がした。ちなみにこの辺りは大岩がごろごろしており、プチ滝もあり、残雪期にスキーで滑るには自信がなくなったことを忘れないように書いておく。
真砂沢ロッジ到着。コースタイム120分のところを150分もかかり、フライングスタートの余裕分を食ってしまった。
5:00だんだんと明るくなってきて、ここからはフラッシュなし。
ハシゴ谷乗越に向けて剱沢の渡口を探していたところ、ちょうど真砂沢ロッジ出発の方に教えてもらった。ここでまた剱沢の右岸へ
ハシゴ谷の登りは急登だった。コースタイム短縮していかないと間に合わないので出力を上げていく。後半はハシゴ谷の名前の通り、いくつもハシゴがかかっていた。
6:30ハシゴ谷乗越の展望台到着。剱岳がひょっこり頭を出す。今回のルートはピークがないので、ここらで記念撮影。
眼下には内蔵助平。急峻な尾根の中にぽっこりと平地があった。ハシゴ谷乗越からの下りは涸れた沢っぽい丸い岩がごろごろした道を行く。
水の音がしてきたら内蔵助平だ。こんな山奥なのにちゃんと橋がかけてあった。ありがたい。
内蔵助平、まったく景色はない。木の切れ間から大タテガビンや丸山東壁(写真)が見えるくらい。
2010年の内蔵助谷の記録は、結構進んで丸山東壁基部あたりまで行ったように書いてあったが、GPSの記録はなく果たしてどうだったのだろうか。今回くだってみても夏道は右岸の急坂で、予想以上に進んでいなかったのではなかったのかと思った。
それくらい内蔵助谷のルートは右岸のアップダウンのあるトラバースで、くだりでも大変だった。やっと黒部川が見えたときはうれしかった。
黒部川に合流したら、旧日電歩道。2010年6月の写真を見返すと残雪に覆われていたが、今回の9月の再訪では(少なくとも内蔵助出合~黒四ダムは)快適な日電歩道だった。いつか欅平~黒四ダムを歩いてみたい。
こんな滝のすぐ近くに木の橋がかけてある。水しぶきが気持ちいい。
快適な日電歩道を進むと黒四ダムが見えた。2010年の時は、この橋も崩壊していて、もっちダムの基部の近いところまで行けたが、今回は橋より上流は立入禁止になっていた。
あとは左岸のつづら折りを登ると黒部ダム駅に入れる。
トロリーバスから電気バスにかわったのをはじめてみた。ちゃんと投資するのは需要があるということ、いいことだ。
ダムレストハウスで食べようと思っていたダムカレー。カレーはグリーンカレーだった。黒部ダムの色をグリーンカレーで表現したとのこと。
まだまだゆっくりしていられない。雲の中に見える立山を越えて室堂まで行かねばならない。タイムリミットまであと5時間。
ダムを渡って、かんぱ谷のつり橋を渡り、ロッジくろよんへ。20分 (CT0.5)
ロッジくろよんから黒部平への登り。40分 (CT0.5)
チェックポイントごとの制限時間をセットして、クリアできていなかったらアルペンルートで帰らないと帰宅も危うい。
黒部平の分岐に来たところで、コースタイム計算を1時間間違えていることに気づき、無念だが納得のリタイア。のこり4時間のところCT5時間だったから、疲れていてこの先未踏区間だしコンスタントに0.8掛け維持できる自信がなかった。
残された課題の内蔵助谷はリベンジしたものの、スキーで来ようと思っていた御山谷は偵察できず。また新たな宿題ができてよかった、これだから山はやめられない。
ということでGPSの直線的な軌跡は、ロープウェイとトロリーバスだ。
黒部平から室堂までアルペンルート片道3460円、高かっ!
大観峰から雲を望む(ぉ
室堂も雲の中。
アルペンルートのおかげで少し早く下山できた。
立山駅前 千寿荘で汗を流して、富山地方鉄道で富山市へ戻った。
富山南の景勝軒。「腹が減ったらうちに来い!!」
今回の山行の唯一のピークは、景勝軒のふじ麺中盛だった。時間帯もよく店内ではゆっくりでき、最高のひと時となった。
完全燃焼の1泊1日をありがとうございました。
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