【Akaushi Day2】裏銀座&読売新道ワンデイ:烏帽子~野口五郎~水晶岳~赤牛岳~奥黒部ヒュッテ 2020年9月【Kurobe cross】

The view from Mt. Akaushi, the heart of Kurobe.


赤牛岳登頂&黒部横断の2日目、烏帽子小屋から赤牛岳を狙う核心の日だ。

1日目は、高瀬ダム~ブナ立尾根~烏帽子小屋で泊まった。

2日目が、烏帽子小屋~野口五郎岳~水晶小屋~水晶岳~赤牛岳と、裏銀座と読売新道を縦走して越えていく核心の日だ。

今日の行程はコースタイム14:55あるので、烏帽子小屋を2時にスタート。

風が強いばかりでなく、みぞれも飛んできて、寒いスタートだった。2時間半もすれば夜が明けてくるだろう。いくしかない!

野口五郎小屋まで真っ暗だったので写真はない。小屋直前の500mが爆風で大変だった。
野口五郎小屋は山かげに建てられていてなかなか見えない反面、たどり着いた時の安堵感と言ったらなんとも言えない。ここに小屋がなかったらと想像すると絶望しかない。

湯を沸かして大休止。爆風でなかなか湯が沸かなくて大変だった。

小屋からすぐの野口五郎岳2924m登頂。この山行の一座目。

空は雲で覆われていて、朝日は微妙だったし、なにより爆風なので、すぐに駒を進めた。一人だったら心折れそうな爆風の裏銀座縦走、一緒に歩いてくれたホソヤに感謝。

裏銀座からみる読売新道。
東沢乗越を越えて、水晶小屋、水晶岳(中央の一番高いピーク)、目的の赤牛岳と読売新道を進んでいく本日の行程。

読売新道に踏み込む前に、水晶小屋でカレータイム。裏銀座の稜線を望めるカウンター席なんて最高じゃないか。

さて読売新道行きますか。
写真では伝わらないが爆風だ。いくしかない!

水晶岳に着いた。振り返ると槍ヶ岳が天にそびえている。

相変わらずの爆風なので、写真を撮ったら先に進もう。水晶岳2986m

水晶岳から下り基調だが、遠い赤牛岳。

左手には雲ノ平、高天原。高天原温泉に向かう温泉沢ノ頭をすぎたところくらい。(心折れたわけではないと思うが)分岐を温泉のある高天原に下っていく人が多かった。

赤牛岳頂上までもう少し。山肌が赤く(茶色く)なってきた。

水晶岳から赤牛岳は爆風でたいへんだった。風がなければマイペースが許されるが、爆風だと出力を落とせば寒いし目的地に着かない。

赤牛岳着いた!二人とも初登頂だ。
標高は2864m。ついたら風もおさまり、晴れ間がのぞく不思議。


最高。来られてよかった。

烏帽子小屋からぐるり歩いてきたコースが望める幸せ。

感動した。

赤牛岳のある読売新道の尾根は、立山連峰と後立山連峰の間にある。このロケーションのおかげで最高の展望台だった。

南側は、槍ヶ岳笠ヶ岳。つんと尖っているのですぐにわかる。

立山連峰は、黒部五郎岳薬師岳立山剱岳
特に薬師岳が、間近に見られるので存在感がすごい。薬師岳は富山側(西側)からみてもボリュームがあるが、東側から間近にその巨体を見られるのは赤牛岳くらいだろう。はっきりと分かる4つの氷河地形を目に焼き付けた。

後立山連峰は、野口五郎岳烏帽子岳蓮華岳針ノ木岳鹿島槍ヶ岳、五竜岳白馬岳。はるか遠くまで稜線が続いていた。後ろにはちょっこり餓鬼岳と燕岳が頭を出している。

赤牛岳は、立山連峰、後立山連峰どちらにも属していないから、両方が望める最高のロケーション。同じ尾根の水晶岳、立山連峰の奥には白山、これだけ百名山が見えるのは、ここ赤牛岳だけじゃないかと思った。

黒部水系を真っ二つにぶった切る読売新道の尾根。西側が黒部川(上廊下)、東側が東沢、この二つが尾根の終点で合流する。

さぁ、読売新道は下山も長いので、そろそろ下りますか。

早朝に出発してきた烏帽子小屋が東沢のすぐ向こうに見えた。岩の上がぽかぽかでずっとゆっくりしていたかった。
プーーンと甲高い音がしたと思ったら、撮影用ドローンだった。映像楽しみにしています>誰となく


こんな展望があるのも6/8の標識くらいで、下部の半分以上は樹林帯だった。

赤牛岳2864mから1500mそこそこの黒部湖まで降りていくのだから、標高差1300m超を一気に下るのはたいへんだった。

樹林帯に入り展望もなくなり、ひたすら続く木の根と苔むした石の登山道。ぼくらが赤牛岳に着く前にスライドした疲弊した登山者の表情に納得の読売新道だった。下山でこれだけ大変なのだから、登りはそうとう大変だろう。読売新道は精神を試される。

いや読売新道は、むしろ下山のほうが、精神を試されるかもしれない。登りならフレッシュな状態でがむしゃらに登れるが、一日中歩いてきてこの変化の少ない読売新道の下りはたいへんだった。

そこに現れたのが、頂上で写真を撮ってくれたオオシマさん。奥黒部ヒュッテのテント場から今朝登ってきてピストンというから、ルートに詳しかった。別に道迷いの心配はまったくない読売新道だが、あとどのくらいで着くかが精神を保ってくれる。おしゃべりで時間を忘れられるのが、こういう変化の少ない下山にはよかった。

無事、奥黒部ヒュッテに到着。水がじゃぶじゃぶ出ていて、トイレもとても綺麗だった。ホソヤは500円で風呂に入ってきたらしいし、オオシマさんはビールが安いから追加したと喜んでいた。

ホームページには「<参考>昨年度実績では1日の最大宿泊者数は26名でした。宿泊定数は40名ですので、ほとんどの日は定員の半分以下になっています。」と書いてある自虐的な?小屋なので、URLを貼っておく。http://www.murodou.co.jp/kurobe/kurobe.htm


テント場は砂利と草地があって、草地の上に建てたらふかふかで気持ちよかった。
核心の赤牛岳の2日目、読売新道で疲れ果てて、気づいたら寝落ちしていた。

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